一般的に店舗開業までに必要な期間は半年〜1年程度といわれています。
今回の記事では、準備段階の前半である開業の1年前〜7ヶ月前にいつ何をすれば良いのかを解説します。
コンセプト設計
開業までにかかる期間を確認する
提供する商品やサービスをもとに、具体的な店舗のコンセプトを決めます。コンセプト設計の際に助けとなるのが、誰に(who)、何を(what)、いつ(when)、どこで(where)、どのように(how)提供するか、という「5W1H」を考えることです。
店舗のコンセプトが揺らいでいると、他者に運営計画を説明することができず、金融機関から融資を受けるために必要な事業計画書の作成も困難になります。ここで
時間をかけてでも、具体的にコンセプトを練ることが大切です。
商標登録の確認・登録
商標とは、「事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するネーミングやマーク(識別標識)」です。自身ではオリジナルの名称を考えたと思っていても、他社が既に登録していた場合は商標侵害となり、損害賠償や店名の変更を求められる場合もあるのです。必ず特許庁が運営する「特許情報プラットフォーム」で似た店名が登録されていないか確認するようにしましょう。
また、登録されていないことが確認できた場合は、今後他店のトラブルを避けるためにも自身が考えた名称を登録するのが望ましいでしょう。
商標登録は出願してから約11ヶ月ほどかかるため、この時期からとりかからなくてはいけません。
10ヶ月前:市場調査・店舗選定
市場調査・店舗選定
資金を確保してから確保できた金額にあわせて店の規模を考えたり、店舗の選定をしたりした方が良いと思われている方も多いでしょう。しかし、事業計画書には金融物件を確保しているという事実が必要になります。どこに店を出すのかという立地や、家賃についても先に考えなければ事業計画を作成することはできません。コンセプトを実現できる店舗探しに時間がかかることも考えられます。店舗選定は早めの時期から始めましょう。
9ヶ月前:事業計画書の作成
事業計画書の作成
事業計画書とは、事業内容の説明と、どの程度の資金でどのように運営するのかの戦略をまとめた書類です。
事前におこなった市場調査をもとに、家賃や光熱費などの店舗物件にかかる費用、売上予測、従業員に支払う給料などについて、現実的な数字や計画を提示するように心がけましょう。
8~7ヶ月前:資金調達
資金調達
資金調達では自己資金を用意し、足りない部分を融資で補うという形が一般的です。
先に説明した事業計画書を金融機関に提出して融資を受ける方法や、国の各省庁や地方公共団体から助成金・補助金を受ける方法、インターネットを利用したクラウドファンディングなどの方法があります。
店舗開業にかかる資金の総額は業種や規模によって異なるものの、おおよそ1,000万円程度といわれています。内装工事に想定よりも費用がかかる場合や、開業後の経営がすぐに軌道に乗らない場合に備え、余裕を持った資金の調達が必要となるでしょう。
準備期間としても、資金調達には多くの時間を割く必要があります。
まとめ
今回は店舗開業準備の前半、1年前〜7ヶ月前にいつ何をすれば良いのかを解説しました。準備期間の前半は、主に「ビジネスプランを練り、資金を調達する」ための期間です。ビジネスプランの設計が金融機関から融資を受けるための事業計画書の作成に重要であるなど、ひとつひとつの工程が後々に続く重要な期間でもあります。焦ることなく開業準備に取りかかれるよう、スケジュールをしっかりと確認しておきましょう。